2007年04月21日

ロッキーが好きです。

最初に「ロッキー」を観たのは中学時代。渋谷にとあるバンドのライブを観に行った時のこと、開演までの時間を潰そうと入った映画館でやっていたのが「ロッキー4」でした。ひどく感動して友人の前で泣いたり、衝動的にロッキーTシャツを買ったりと中学生っぷりをいかんなく発揮した記憶があります。
ランボーでスタローンファンになっていた私はこれ以降その熱も加速、「コブラ」(初めて映画のサントラを買った)や「デスレース2000」(テレビ東京でお昼に放送した奴)までも支持し、映画好きの知人の嘲笑を一身に受けることになるのですが…。そんな中でどういうのか「ロッキー」シリーズだけは「4」以外、つい十年前まで未見だったのです。幾度かTVで観る機会もあったのですが、その度に前半で挫折していました。というのも娯楽性とアクション性の高い「4」のイメージが強すぎたためです。「4」的なアクションスポーツモノを期待してたんですね。それが十年ほどまえのある日、ふと思い立って「ロッキー全巻」をレンタルして観たところ、ドハマリしてしまいました。

「ロッキー」という映画は基本的に「ダメ人間」の映画だと思うんです。「ダメ人間」のための映画、ではなくて、「ダメ人間」ばかりが出てくるという。「ロッキー・バルモア」もダメ人間ならあのシーンで有名な「エイドリアーン」も当初、結構なダメ少女、その兄の如きは絵に描いたようなダメ男、かのアポロだって富や名声に貪欲な、決して爽やかなジェントルマンチャンプだとはいえなかったし、ミッキーもあの年にして結構な自己中…ひたすらメインキャストはダメダメで、それを5作(今回で6作)も続けたんだから、やっぱりどこか意図的なものも感じなくもないですが…ともかく、本当に毎回「こいつらダメダメやなぁ…」というシーンから始まるんですよね。


私のロッキー感想を垂れ流しますと…(ネタバレしてます)
「1」は典型的なダメ人間の再起の話ですよね。アメリカンドリームの体現という言い方もされますが、それよりも「再起」の方がしっくりくる気がします。最終的には富や栄光よりも、「最後までリングに立っていること」を目標に最強のチャンピオン「アポロ」に立ち向かう訳だし、結局負けてるし…。負けたのに勝者のような顔をし、観客もロッキーを勝利者として受け入れられたのは、ラストが、いわゆるアメリカンドリーム的な「成功者」ではなく自身の人生においての「勝利者」として描かれているからではないかと思ったりもします。負けたのに勝者よりも勝者っぽい、なんてのは「プロレス」的でもありますね。

「2」はうっかり「ヒーロー」になってしまった「ダメ人間」の「超ダメっぷり」から始まります…まぁもう、目を背けたくなるくらいの「ダメ人間っぷり」を「ロッキー・バルモア」は見せ付けます…ボクシング界から引退したもののタレント業は失敗、仕事はなく、漸く就いた職もリストラ…一方「アポロ」には前回の勝利が納得いかず(周囲にもやいのやいの言われ)「再戦を要求」され…その要求を呑むものの「エイドリアン」の反対に気持ちが乗らない「ロッキー」…やがて、身ごもっていた「エイドリアン」は出産はするものの昏睡状態に陥り…。そこで熱血してアポロとの再試合に賭ければいいのに、「エイドリアン」が心配で練習に集中もできない、やる気も出ない、グズグズ愚図る…どれだけダメダメなんだよと。ここで、私が思うところの「ロッキー史上最高の名言」がかまされます。昏睡から目覚めた「エイドリアン」は、「ボクサー辞めてもいい、幸せに暮らそう」的なことを言う「ロッキー」にぶちかますんですよね、一言「WIN…」。号泣ですよ、私みたいな糞単純人間は。「やめなくていいよ、応援するから」とかなんとか語るんじゃあなくて「勝って」の一言。そこからミッキーの怒声と共に怒涛のトレーニングが始まる流れは涙と鳥肌と昂奮ナシには観られないです。で、ついに「アポロ」に勝つわけですが…。

「3」でいきなりショッキングな出来事が…「アポロ」に勝利しチャンピオンになった「ロッキー」は着実に防衛戦を勝ち続け銅像まで立てられるヒーローになるのですが、実はその防衛戦の相手、「ロッキー」が勝てる相手をミッキーが見繕ってきていた、つまり作り物のチャンピオンだったというオチが…富も名声も手に入れながらその状態でとんでもないダメチャンピオンになってしまった「ロッキー」…その上、ミッキーは亡くなってしまいます…その上、「アポロ」が「ロッキー」のコーチを買って出るのですが、そのトレーニングの途中でもやる気をなくして「アポロ」を怒らせてしまいます…本当にね、どれだけ「ダメ人間」なのかと。ここで「エイドリアン」にものっそい怒られてやる気を取り戻すというね…どないなスポーツヒーローやねん…

そして問題作「4」です。これは人間ドラマ臭の強かった前3作に比べて娯楽色の方が強く、「ロッキー」のヒーロー性がかなり強く打ち出されているんですが、やはり前半ではわけのわからないロボットを購入したり自宅敷地内に電車を走らせたりと、困った大人っぷりをやらかしています。でも当作ではそれくらいなんですよね。後は定番の熱血スポーツ映画展開で、全編燃えるものの、ダメっぷりは身を潜めます。

「5」は…いきなり「ロッキー屋敷」を騙し取られ、下町の片隅に住まいを構えて人生やり直し、となり…「ロッキー」自身はそこそこダメっぷりを発揮したりはしないのですが、弟子と息子との関係がどうしても上手くいかずに破綻してしまったり、ラストはストリートファイトでケリをつけたりと、やはり格好いい人間にはなりきれないまま、もがいています。興行成績的にもファン評価的にもダメダメと言われる本作ですが、私は気に入っています。ストリートファイトでのシメも物議を醸し出しているようですが…「ロッキー」が「ロッキー」であるための話、自分が自分であろうとするのが「ロッキー」だったと…「ロッキー」とは凡人がどう頑張って生きていくかという「人間のドラマ」だと思うので…だから大人になってから面白く感じるようになったのかな…そういう意味でこの「5」はいい着陸をしたと思うわけです。

…というような、「ダメ人間」大集合的な装いと、そこから脱出しようと必死になる姿や挫折する姿が結構な「ダメ人間」でもある私にはハマります。「ダメ人間」を連呼しましたが、「ダメ人間」っていうよりも「普通の人」なんですよね。「ボクシング」の才能はあったのでしょうが、中身がいかんせん「凡人」。主人公「ロッキー」に到っては「3」で「チャンピオンの器ではない」宣告までされていますしね。ひたすらそこに焦点が合っているわけです。「4」については、どう捉えるかですが、裏事情的にあしざまに言えば「ヒット作」的な作りで売れる映画にして金儲けをしたかった作品とも言えますし、ファン心理的によく言えば「一度くらい思いっきり格好いいだけのロッキー映画」があってもいいとも言えます。異質であることは確かですが、全体を通して一気観するとこれが意外にいい感じでもあるんです。頑張って栄光を掴んでは失敗するという「ロッキー」映画のシステムに則って、「4」はその栄光部分を担当しているともね、言えるんです。まぁこれはファンの戯言ですが。

ちゃんとした人間になろうというのが出発点なら、ちゃんとしたチャンピオンであろうとしたのが「4」であり、ちゃんとした大人・父親になろうと頑張ったのが「5」かなと、「ロッキーファン」な私は良い風にそう考えています。

そして「ロッキー ザ ファイナル」が公開されました。ドキドキです。「還暦ロッキー」!「永源ロッキー」!近いうちに劇場に観に行きます。

映画の話に終始してしまいまして公認頂いている【静岡プロレス】さんには申し開き立ちませんが…「ロッキー3」の冒頭にはかの名レスラー「ハルク・ホーガン」が出演しているということでご容赦下さい。


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この記事へのコメント
ソ連のボクサー、ドルフラングレンは空手の雄でした。
試合では地味でしたが・・・(^^)v
ロッキーは男の生き様かな~!あんなに劇的ではないけど、似たような栄光と挫折って誰にでもありますよね!生卵飲んで走ろうかな!!(^^)v
Posted by マサ at 2007年04月23日 09:26
きょうは、開演するはずだったみたい。
KAJIRIは、ロッキーまでザ☆セリザワと中学を開演したかもー。
Posted by BlogPetのKAJIRI at 2007年04月23日 16:48
>マサさま

走りましょう、生卵飲んで!
アレはホント効きそうですよね。ただ…あの量は…

ドルフ・ラングレン、最近メジャーな映画じゃ聞かなくて寂しいです(アクション映画、結構好き)。空手、すごい強かったんですよね…確か。試合は地味だったんですか…それが役者業にも現れたのかも…ってことはないですね。
それにしても、ドラコはハマリ役過ぎでした。
Posted by ザ☆セリザワ at 2007年04月23日 21:41
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